ねんきん定期便がきた。
もうすぐ57歳になる。
会社員ひと筋、独身、福岡暮らし。
定年まで、あと三年。
封筒を開けて、数字を見た。
多くもないけれど、極端に少なくもない。
そういう、ちょうど中くらいの数字だった。
私の年金、こんな数字
定期便にあった、老齢年金の見込み額(年額)はこうだった。
- 65歳から受け取る場合:2,235,913円
- 70歳まで繰り下げた場合:3,174,996円(42%増)
- 75歳まで繰り下げた場合:4,114,080円(84%増)
年額で見るとピンとこないので、月額に直してみる。
- 65歳から:月 約 18万6千円
- 70歳まで繰り下げ:月 約 26万5千円
- 75歳まで繰り下げ:月 約 34万3千円
これまで支払ってきた厚生年金保険料の累計は、約1,847万円。
会社員ひと筋で来た、その重みが、この数字に出ている気がした。
月25万か、月32万か
定年後、月にいくらで暮らすか。
これを先に決めておかないと、年金額の意味が見えてこない。
最低ラインは月25万。家賃、食費、光熱費、通信、保険、それで暮らしていくぎりぎりの線。
けれど、それだけでは足りない。
毎年、予備費が80万から100万欲しい。
中身はこれだ。
- 旅費
- 病院代
- 家電の買い替え
- 親孝行代
派手な使い道は、ない。
でも、これがゼロでは、五十代を生きていけない。
予備費を入れると、必要な額は月32万になる。
57歳で辞めるか、60歳まで居座るか
退職金は700万、企業年金は400万。
合わせて1,100万、これが、いま見込める一時金のすべて。
これを、65歳までの無収入期間にどう充てるか。
計算してみた。
もし、いま57歳で辞めたら——
無収入期間は8年。
月25万で生活して、必要額は2,400万。
退職金1,100万を引いても、貯金から1,300万取り崩すことになる。
もし、定年まで居座って60歳で辞めたら——
無収入期間は5年。
月25万で、必要額は1,500万。
退職金1,100万があれば、貯金からの取り崩しは約400万で済む。
差は約900万。
予備費まで含めて月32万で生活するなら、差はもっと開いて、約1,100万になる。
「あと三年居座る」が、これだけ数字で意味を持っていた。
65歳から受け取るか、繰り下げるか
もうひとつ、決めなければならないことがある。
年金を、何歳から受け取るか。
月25万で生活する場合。
65歳から受け取り始めると、月に6万4千円、足りない。年で約77万、20年で1,540万の不足。
70歳まで待てば、月の年金は26万5千円。これでようやく、年金の中に収まる。
75歳まで待てば、月34万3千円。余裕すら出てくる。
月32万で暮らすなら、話はもう一段きびしくなる。
70歳まで繰り下げても、月5万5千円足りない。
年金の中だけで暮らそうとするなら、75歳まで待つしかない。
とはいえ、繰り下げには別の問題がある。
65歳から70歳までの五年間、年金が入ってこない。
その間の生活費は、貯金からの取り崩しになる。
月25万 × 60ヶ月で、ざっと1,500万。
これを、忘れてはいけない。
逆に、65歳より前から繰り上げて受け取る選択肢もある。
月の額は少し減るけれど、空白期間は短くなる。
どちらが、自分に合うのか。
いまは、まだ決めない。
もし、居座れなくなったら
居座るのがいちばん有利。それは、もう数字でわかった。
でも、いつまでも続けられるとは限らない。
会社から退職を促されるかもしれない。
体やメンタルが、もたなくなるかもしれない。
異動や転居の命令で、いまの暮らしが続かなくなるかもしれない。
そのときのために、選択肢も並べておく。
- 再就職する。正直、いまの給料は出ない。私の今の年収はおよそ700万、月にして約58万。再就職では月25万くらい、というのが現実だと思う。半分以下の世界に行くことになる。
- 失業給付を使う。会社都合か自己都合かで額は違うが、数ヶ月分の生活費にはなる。
- 傷病手当金を使う。健康保険から、月給のおよそ三分の二が、最長一年半。
- パートで月10万程度の収入を、年金まで細く長く続ける。
ただし、57歳で雇ってくれる会社があるとも、思えない。
そもそも、ここからして険しい。
仮に月25万の再就職が見つかれば、最低生活費は何とか賄える。
退職金1,100万も、手付かずで残せる。
65歳までに貯金から取り崩す額は、60歳まで居座る場合とほぼ同じ、約400万で済む。
ただし、それは「現状維持」の話。
居座っていれば、給料の余りでもう少し貯金が積めたはずだ。
その差が、本当の意味での「居座る価値」になる。
「居座れなくなったら、すべてが終わる」のではない。
ただ、いまの暮らしのレベルでは、いられない。
その覚悟と引き換えなら、道は、ある。
知っていることが、いま居座る勇気にもなる。
これから
定年まで、あと三年。
左遷から、一年が過ぎた。
ねんきん定期便を見て、何かを決めたわけではない。
ただ、自分の数字を一度、ぜんぶ並べてみたかった。
並べてみると、こう見えた。
あと三年、できるだけ会社に居座る。
65歳までは、退職金と貯金で乗り切る。
年金を、いつから受け取り始めるかは、もう少し考える。
それでも崩れたら、再就職や給付の道を選ぶ。
辞めたい気持ちは、ずっとある。
それでも踏み切れないのは、老後の生活への不安が、どうしても拭えないから。
しかも、居座ったところで、安泰ではない。
いつ降格させられるかわからない。
そうなれば、月に8万以上、給料が下がる可能性もある。
その上に東京への転勤が重なれば、負担はさらに大きい。
辞めても、居座っても、微妙な立ち位置。
どちらに転んでも、楽な道ではない。
数字を並べてみても、不安は、まだ消えない。
足りない分を、いくらの貯金で埋めればいいのか。
次は、それを考えなければいけない。

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